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ソフトバンクグループはAI革命への投資会社に? 四半期決算で孫正義が明かした展望

2020年11月10日07時00分 / 提供:マイナビニュース

ソフトバンクグループは11月9日、2021年3月期 第2四半期 決算説明会を開催しました。それによれば、当期純利益は約1兆8,832億円となり、前年比4.5倍の最高益に。また、2019年度下半期に大赤字を出したソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF)は、1兆3,901億円まで反転回復しています。登壇した代表取締役会長 兼 社長の孫正義氏は、ソフトバンクグループがこれからどこに向かうのか、その方向性について熱く語りました。

○業績説明は2ページのみ、これからはAI革命への投資会社へ

前回の決算説明会で「投資会社となった我々にとって『売上高』や『当期純利益』に、どれほどの意味があるのか」と語っていた孫氏。この日、ついに決算の業績を説明するスライドは2ページのみとなり、「営業利益は発表する気もなくしました」と苦笑いを浮かべました。

この日、孫氏がプレゼンの大部分を費やしたのが、ソフトバンクグループの行く末についてでした。創業以来、「情報革命で人々を幸せに」と繰り返してきたソフトバンクですが、その理念、想いを変えずに、今後は『AI革命への投資会社』になると宣言。「ソフトバンクグループの向かう方向ですが、AI革命への投資会社、これ1本に専念していきます」と言葉に力を込めました。

「モバイルインターネットを制する者がインターネットを制する。アジアを制する者が世界を制する」とプレゼンしていた12年前(2008年5月8日)の決算発表会の映像を振り返ったうえで、次の10年について「AIを制する者が未来を制する」と孫氏は話します。

プレゼンはここで再び、決算の話に戻ります。「純利益が1.8兆円だとか、そこに私の執念はありません。何にこだわっているか。それはNAV(ナブ、Net Asset Value)です。投資会社は、この1点だけを見つめて経営をするべき」と孫氏。NAVとは株主価値のことで、これがいくら増えたか減ったかが、投資会社の最重要指標である、と繰り返します。

現在、ソフトバンクグループのNAVは27兆円。2002年4月と比較すると157倍になった、200万円を投資していた人は3億円になっている、と強調します。

なぜ、ここまで成長できたのでしょう。その理由については「ソフトバンクの孫正義は、変化に投資せずに、進化に投資してきたからです。進化するものは後退しない。進化した産業は後戻りすることがありません。だから、ほぼ一方的に上がっていった。業界全体が、テクノロジーが進化したということであります」と説明します。

ここから先、インターネットとAIの境界が曖昧になり、ソフトバンクグループのNAVはさらに伸び続ける(と信じている)と孫氏。なぜ、そう思えるのか。その理由についてはAIの成長を挙げます。

コンピューティングは6段階の成長途上にあり、現在は「計算」「記憶」「検索」の段階を経たところ。今後はAIが「理解」「推論」「創造」していく時代に入ると熱弁しました。

SVFにおいては、自動運転技術で無人配送車を実現するニューロ(Nuro)のAI×配送ロボット、同じく自動運転のクルーズ(Cruise)のAI×自動運転、中国の不動産取引プラットフォームであるベイク(Beike、貝殼)のAI×住宅売買、米国の医療ベンチャーのバイオフォーミス(Biofourmis)のAI×デジタル医療、といったユニコーン企業によるサービスが急激に伸びていると紹介します。

このほか、AI革命の本命中の本命はGAFAにあるとして、今後は上場株にも投資していくと孫氏。「我々は野球チームを持っていますが、甲子園で活躍したルーキー(ユニコーン企業)だけでは勝てるチームにならない。メジャーリーグにいるスーパースター(上場企業)も混ぜることで強いチームができます」と説明します。

最後に、あらためて「AI革命の投資会社という角度から、情報革命を推し進めていきます」と説明していました。
○大統領選挙やニューノーマルについて答えた質疑応答

孫氏がグループの方向性を熱弁したあとは、記者団から寄せられた質問に答えていきます。

ジョー・バイデンが大統領になったら、投資先としてのアメリカはどう変化していくと思うか、という質問には「AI革命のメッカのようなところ、それはシリコンバレーを中心としたアメリカにあります。どんな政権であれ、どんな金利であれ、我々は継続して米国のAIカンパニーに投資していきます」と孫氏。あわせて中国からも続々とAIカンパニーが生まれており、また東南アジア、インドも活発だとして、そうした国と地域の企業に投資していく姿勢を明らかにしました。

現在、ソフトバンクグループの資金で活動しているSVFの2号ファンドが最近は好調とのことで、これについて外部の資金を入れる考えを聞かれると「投資家の皆さんに向けて、ドアはいつも開けている状況なんですが、あまり人気がないので来ていない(笑)。その間、充分な10兆円の資金も手に入ったので、手金でまかなえています。でも、最初のころにお世話になった投資家の皆さんもいる。そうした方にはこれからも礼を尽くしていきたいので、常にドアは開いている状態です」と述べます。

上場株の投資の今後について聞かれると「まだテスト運用を開始したばかり。大型株で充分に流動性を持っているので、購入も売却も2、3日で終わります。運用するのに現金に近いくらいの利便性があるわけです。上場株なので数%程度でも、それなりの位置づけになる。経営者は知り合いばかりなので、群戦略としての提携がしやすくなる可能性もあります」と孫氏。しかしまだ、しばらくは様子を見ていくと考えを示しました。

また、米Sprintや英ARMのときのように、IT企業を買収する可能性について聞かれると「投資会社になりましたので、企業を買収をして自らコントロールする、という思いがあるわけではありません。まったくゼロではありませんが、少なくとも99%は考えていない。投資会社のポジションでAI革命を進めていきたい。ボク自身がオペレーティングカンパニーのCEOや会長になったのでは、それだけで時間が取られるので」と説明します。

新型コロナウイルスの影響はいつまで続くとみているか、との質問には「2021年の秋まではくすぶるのでは、と思います。ワクチンができたとしても、それを充分に広めて効果が行き渡るまで、そのくらい時間はかかるのではないか。急に晴れやかな空にはならない、徐々にということですね。でもZOOMを毎日使っていて、これも悪くないなと思いました。これまでは海外出張が多くて常時、時差ボケ状態でした。身体もきつかったし、時間ももったいなかった。それがなくなると、かなり健康になった。毎年あった気管支喘息に今年は一度もなりません。相当、身体が元気になり、時間も有効に使えるようになりました」とオンラインのワークスタイルをお気に召した様子です。

すると、このあと、ZOOMの話題で止まらなくなります。「ZOOMが良いのは、顔がアップで出る。ZOOMで会議していると、目の前にいるような感じになります。最近はワインを飲みながら食事しながらZOOMで会議しています。毎日がZOOM飲み会の状態で、これを海外ともやっている。相当、生産性が上がっています。毎週のように新規の投資を審議したり実行していますが、相手の起業家とZOOMで初めて会うことも増えた。ZOOMの会合は大変有効に機能しています。これもニューノーマルだな、新しいライフスタイルとして世の中に広がっていくんだろうな、と実感しています」などと話していました。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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