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ついに日本でも5Gが始動! 2020年のスマホ業界はどうなる?

2020年01月03日06時00分 / 提供:マイナビニュース

●5Gが本格スタート、生活は変わる?
いよいよ日本で次世代モバイル通信規格の「5G」がスタートする、2020年の携帯電話業界。政治の影響を強く受け、混とんとした状況が長らく続いた携帯電話業界ですが、5Gの開始に合わせて大きな盛り上がりを見せることになるのでしょうか。携帯電話会社からスマートフォン、そして政治の影響に至るまで、2020年の携帯電話業界動向を予想してみましょう。
東京五輪前に始まる5G、過度な期待は禁物

2020年、携帯電話業界において最大のトピックとなりそうなのは、やはり5Gの商用サービス開始ではないでしょうか。東京五輪に照準を合わせため海外に大きく遅れてしまった日本の5G商用サービスですが、2020年春にはようやく携帯大手3社が、一斉に5Gの商用サービスを開始することが予定されています。

そうしたことから2020年は、日本でも5Gスマートフォンが多数登場するでしょうし、特に7月からの東京五輪に向けては、各社が5Gを活用した先進的な取り組みをアピールしてくるものと考えられます。特にARやVRなどを活用した新しいコンテンツやサービスは、今後各社が次々投入してくるでしょうから、5Gでどのような新しい体験を提供できるのか注目されます。

ですが、5Gのサービスが始まるからといって、2020年に我々の生活が劇的に変わる訳ではありません。そもそもサービス開始当初の5Gは、4Gのネットワーク上で5Gを運用する「ノンスタンドアローン」運用であるため、5Gの特徴の1つである高速大容量通信しか実現できないのです。

それに加えて、5G向けの周波数帯は非常に高く遠くに飛びにくいことから、5Gが利用できるエリアは当初、あまり広くないことが予想されます。ゆえに消費者には一部のエリアでスマートフォンのスピードが速くなるくらいしか恩恵がないかもしれませんし、5Gの料金プランがあまり安くなければ、普及も進まないかもしれません。

そもそも携帯電話の通信規格は最初からフルスペックで登場する訳ではなく、10年の期間をかけて進化していくものでもあります。それゆえ5Gも、現在の期待値があまりに大きいだけにサービス開始当初は失望を呼ぶかもしれませんが、その後の進化を長い視野で見ていく必要があるでしょう。
○トラブルが相次ぐ楽天モバイルは立て直せるのか

もう1つ、大きな注目が集まりそうなのが楽天モバイルの動向です。2019年に携帯電話事業者として新規参入を果たした楽天モバイルですが、現在提供されているサービスは、5,000人の無料サポータープログラム会員に向けた試験サービスに近いもの。商用サービスを開始したといっても、まだ本格サービス開始には程遠い状況です。

ですがこの無料サポータープログラムも2020年3月末までとされており、2020年4月からはインターネットなどに販路を絞りながらも、より多くのユーザーを対象としたサービスを開始するものと見られています。では楽天モバイルは、2020年3月から多くの人が満足できるサービスを提供できるかというと、まだ難しいだろうというのが正直なところです。

基地局整備の遅れで総務省から再三にわたって指導を受けるなど、課題となっていたエリア面に関しては積極的に改善を進めているようで、不満がないとはいえないものの想定よりは使えるとの声が多いようです。ですがユーザー数が増えてもネットワークの安定性を保てるのか? という点はまだ見えていませんし、2019年12月には2時間以上通信できなくなる大規模な通信障害も発生させているだけに、不安が少なからずあるのは事実です。

しかもサービス開始後の楽天モバイルの動向を見ていると、サービス運営体制そのものが安定していないように見えます。楽天モバイルは2019年10月の携帯電話サービス開始当初より、開通ができない、チャットサポートにつながらないなどの指摘が多数なされて問題となりましたし、2019年12月には利用者に誤請求メールが届くなどのトラブルが発生。同じ12月には検索サービスのキャッシュから、まだ公表されていない携帯電話サービスの料金プランが閲覧できるようになっていたことで話題となりました。

ネットワーク面以外でこれだけの問題が相次ぐのには、準備が足りず見切り発車でサービスを始めざるを得なかったことが響いているといえそうです。楽天モバイルは圧倒的な通信料の安さで契約を伸ばしたい方針を打ち出していますが、携帯電話事業は「安かろう悪かろう」では絶対成功しないというのは歴史が示しているだけに、2020年は早急な体制の立て直しが求められるところです。

●3万円台の低価格スマホが市場を席巻する?
スマートフォンについてはどうでしょうか。2019年はサムスン電子の「Galaxy Fold」などのディスプレイを直接折りたためるものや、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1」のような縦長モデル、ファーウェイ・テクノロジーズの「HUAWEI P30 Pro」のように4つのカメラを搭載したものや、「G8X Thinq」のようにディスプレイを追加できるものなど、個性あふれる機種が多数登場して市場を沸かせていました。

2020年も日本で5Gのサービスがスタートすることもあり、特にハイエンドモデルを中心として、未来性を感じさせる個性的なスマートフォンを各社が投入してくる可能性は高いでしょう。ですがそうしたスマートフォンが大きく販売を伸ばすかというと、そうはならないというのが筆者の見立てです。

理由は2019年10月に実施された電気通信事業法の改正です。これによってスマートフォンの大幅値引きがほぼ不可能となったことから、2020年には高額なハイエンドモデルの販売が振るわないと考えられるのです。

一方で市場での存在感を高めそうなのが、2~5万円台のスマートフォンです。携帯電話会社が大幅値引きができなくなったことを受け、スマートフォンメーカーも3万円前後の機種の拡充を急いでいますし、2019年にはオッポやシャオミといったコストパフォーマンスに強みを持つ中国メーカーが、法改正に商機を見出し日本市場に注力する姿勢を強めています。

そうしたことから携帯電話会社の「実質0円」販売で、ハイエンドモデルが売れ続けていた日本のスマートフォン市場も、徐々にではありますが変わっていくことになりそうです。ですが高額端末の値引き規制は、当初ハイエンドモデルが主流を占めると見られる5Gスマートフォンの販売停滞を招くだけに、5Gの普及に暗い影を落とすことになるかもしれません。
○料金騒動はひと段落、米中摩擦の影響はまだ続く

では、ここ数年来携帯電話市場を大きく振り回してきた政治との関係については、2020年どうなると考えられるでしょうか。

まず2018年の菅義偉官房長官の発言に端を発した通信料の引き下げに関してですが、先にも触れた2019年の電気通信事業法改正によって、分離プランの導入義務化やスマートフォンの大幅値引きの禁止、“2年縛り”の事実上の無効化など、非常に厳しい規制を実現したという成果を出したため、ひと段落つくものと見られています。2020年は改正法が市場にどのような影響を与えるかを見極める年になるといえるでしょう。

ですが最近では、携帯電話大手がアップルやネットフリックス、アマゾン・ドット・コムなど有力なインターネットサービス事業者と共同で、通信料金とのセット契約により、それらインターネットサービスを大幅に値引きする施策を打ち出しています。これはある意味、スマートフォンの大幅値引き販売に近い施策でもあるだけに、競争が激化し消費者不在の値引き合戦が繰り広げるようになれば、再び総務省が大きく動く可能性もありそうです。

ではもう1つ、世界的に大きな影響を与えた、ファーウェイ・テクノロジーズを巡る米中摩擦に関してはどうかというと、こちらはまだ先が見通せないというのが正直なところです。米国は同社に対し何度か規制緩和をしてはいるものの、完全な規制緩和措置を取る様子は見られず、2020年も規制は続くものと考えられます。

既にファーウェイ・テクノロジーズ側も、規制が長期化することを見越しており、特にスマートフォンに関してはグーグルのサービスが搭載できないことから、日本でも独自のプラットフォームである「Huawei Mobile Services」(HMS)を搭載したスマートフォンの投入準備を進めているようです。さらに今後、同社はスマートホームなどIoT関連デバイスにHMSや、独自の「Harmony OS」を搭載していくことで米国の影響を受けないプラットフォーム構築を進めていく様子も見せており、規制が長引くほど携帯電話市場には大きな分断が発生することにもなりそうです。

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