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円の行方、ドルの行方 第216回 油断大敵、年末年始

2019年12月16日09時23分 / 提供:マイナビニュース

毎年年初は、同じようなことが繰り返されます。

今年は、1月3日の朝、フラッシュクラッシュが起き、ドル/円は、108円台から104円台まで急落後、107円台に急反発したものの、マーケットのセンチメントは、ドル安と印象づける年初となりました。

しかし、このことが、年初の例外的な相場ではなく、過去何度も繰り替えされてきていることです。

ある年の仕事始め、弊社も日本の企業らしく、仕事始めにあたって、新しい年の業績祈願に部長以下ディーラー一同、マイクロバスを仕立て、ディーリングですから、勝負の神様が奉られている神社を三つ程回りました。

その時の相場は、年末からドル/円が下落を開始しており、仕事始めの日も、早朝のオセアニアマーケットで、さらにドル/円は下落し、ディーラー各自も年末からショートポジションをキャリー(保有)していましたから、マイクロバスの車中は和気藹々とした雰囲気でした。

ところが、最初の神社のお参りが終わり、マイクロバスに戻り、レートをチェックした頃から、様子が変わってきました。

ドル/円が反発を開始していました。

残る二つの神社を巡るに連れて、ドル/円は、加速度をつけて上昇していき、車中は重苦しい雰囲気が漂いました。

そして、ディーリングルームに駆け戻ると、ドル/円はさらに上昇しており、既に各ディーラーのショートのポジションの持ち値を実勢値は超していて、全員がアゲンスト(不利)状態に陥っていました。

そして、仕方なく、ひとりやめ、ふたりやめと、ロスカットしていきました。

これは、決して偶然の災難ではなく、英米の投機筋の年末年始の仕掛けが、筋書きどおりに展開したのに過ぎません。

つまり、年末から英米勢はドル/円を売り仕掛けし、薄いマーケットの中、さも下がりそうな形勢で越年させておき、さらに一段三が日明けのオセアニアマーケットで売り込んで、東京勢を売りでマーケットに誘い込んだところを、大きく利食って勝ち逃げしたということでした。

そして、その後残ったのは、ショートポジションだけとなり、その損切り的ショートカバー(買戻し)が玉突き状態となって反騰したわけです。

このように、年末年始は、薄いマーケットを利用して投機筋が暗躍する相場ですので、十分警戒する必要があります。

尚、我らがチームの仕事始めのお賽銭(損失)は、それは半端なものではなかったことを申し添えて起きます。

そして、今年年初のフラッシュクラッシュですが、一説には、トルコリラ/円のロングの強制ロスカットが狙われたようです。

あの1月3日の午前7時台のドル/円相場を、この目で見ていましたが、まさに、薄いマーケットが狙われた、急落でした。

その上、生保など本邦機関投資家が、買いオーダーを年始で油断して入れておかなかったことが、急落を加速させました。

しかし、機関投資家も途中から急落に気づき、泡を食って買いを入れたものですから、反発もあっという間でした。

しかし、フラッシュクラッシュのマーケットの印象は、急落と受け止められ、その後下げるものとマーケットが戻り売りを繰り返したため、むしろ4月までジリ高は続きました。

ということで、昨年は、実にマーケットが翻弄された相場となりましたが、しかし、昨年が例外ではなく、過去の年初に何度も繰り返されていることです。

ひとつ、言えることは、欧米勢にとっては、クリスマスが終われば、新年度であるのに対して、本邦勢にとっては、正月気分に浸り脇を甘くする時だけに、圧倒的に欧米勢に優位であり、本邦勢にとっては実に不利な、状況であるということです。

しかし、だからと言って、そのチャンスを見逃さないのが欧米勢です。

○水上紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売された。

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