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中小企業の困り事をITで解決します! 中小機構の取り組みとは?

2019年10月08日11時05分 / 提供:マイナビニュース

●具体的な課題からアプリを探せるWebサイト構築
○中小企業でIT活用が大きく遅れている理由とは?

深刻化する人手不足や市場の変化の激しさなどにより、大企業や中堅企業のみならず中小企業においてもIT活用による生産性向上や業務効率化は喫緊の課題となっている。

とはいえ、IT専任のスタッフを抱えることはもちろん、一定のITスキルを有するスタッフも社内に存在しないケースも多い中小企業の場合、アプリの導入段階でつまずくことも珍しくはない。国内の中小企業やベンチャー企業の事業活動の活性化を支援している中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)がメルマガ会員向けに実施したアンケートによると、実に53.8%も企業が「ITを活用した生産性向上に取り組んでいない」と回答しているのである。

中小機構 経営支援部 支援機関サポート課 課長代理の青木健太氏は次のように話す。「ITを導入していない企業に対する『IT活用により業務効率化や生産性向上が可能だと思うか?』という設問には、54%が『Yes』と回答していることから、業務にITを導入することの効果は理解していることがわかります。なんとなく理解はしていても、そこにコストをかけたり、現状の業務プロセスを変えたりしてまで取り組もうとはならず、一歩が踏み出せないといった企業が多いのではないでしょうか」

経営支援部の主任の氏家永史氏もこう続ける。「事業主と直接話したり、アンケートの回答を読んだりして感じるのが、意欲の高い人が社内に存在するなど何らかのきっかけがないとIT導入にまで至りにくいということです。普段の業務をやっていれば普通に仕事が回っている状況もあるかもしれません。そこに、アプリケーションを取り入れることで、生産性を向上できることを頭ではわかっていても、実感できてはいないというのが大きいと思います」

また、中小企業といっても一番多いのが従業員20人以下の『小規模事業者』であり、そうした企業では社長が一人でバックオフィス業務などを担っているケースも多く、日々の忙しさで新たな挑戦に踏み出せない側面も考えられるという。

○そのまま導入できる低コストのクラウドアプリを紹介

このような中小企業が直面する課題に対し、政府の主導の下、2020年までの3年間で全中小企業・小規模事業者の約3割に当たる約100万社のITツール導入促進を目指す施策が進められている。これを受けて、中小機構でも、中小企業が生産性向上のために導入しやすい業務用アプリケーションを紹介するWebサイト「ここからアプリ」を今年3月に立ち上げた。

「ここからアプリ」では、業種や困りごとからアプリケーションを絞り込むことにより、中小企業や小規模事業者の目的に沿ったビジネス用アプリケーションを見つけられるようになっている。紹介しているアプリケーションは、中小企業(小規模事業者を含む)が比較的導入しやすいよう、以下の条件を満たすものとなっている。

そのまま導入できる業務用の製品である
バージョンアップに費用がかからない
価格が明示されている
オンラインによる試用やデモで使用感を体感できる
一定の購入実績を有する

「中小企業の経営者の平均年齢は67歳と言われており、導入が容易なサービスが求められているという助言を外部有識者からいただき、カスタマイズのいらない、そのまま導入できる業務用のクラウドアプリケーションが掲載されることになりました」と、氏家氏は説明する。

アプリケーションを掲載するにあたっては、外部有識者の委員会を立ち上げ、中小企業にとって使いやすいアプリケーションの基準を定めてから、製品情報の確認に入った。

サイトを構築する際は、中小企業の事業主らに刺さりやすい表現を用いる工夫をしたという。例えば、「お困りごと」の相談コーナーでは、「売上を拡大したい」「新規顧客を増やしたい」「余剰在庫を減らしたい」「売上の把握や予測を簡単にしたい」といったように、具体的な表現を用いられている。

「このアプリを使えば何ができるのか、具体的に説明するように心がけました。加えて、さらに効果に対する理解を深めることができるよう事例も掲載しています。まだ事例は少ないですが、これから具体的に効果のあった事例を積極的に紹介していきたいですね」(青木氏)

●PCから気軽に経営相談ができるチャットサービスも提供
○紹介アプリ数をもっと増やしていくのが課題

「ここからアプリ」のサービス開始後、サイトの使い方を解説した冊子を作成して全国の商工会議所などに配布しており、講習会も実施している。さらに、東京商工会議所では「ITをあまり活用しない」または「関心が低い」60~70代の中小企業の経営者に向けて、「『はじめてIT活用』1万社プロジェクト」を今年11月から3年計画で実施予定であり、そこでも「ここからアプリ」が活用される。

「『はじめてIT活用』1万社プロジェクトによって、さらに広い展開が見込めるのでは期待しています」と青木氏は言う。

多くのビジネスアプリベンダーが前向きな反応を示しているが、現状「ここからアプリ」で紹介しているアプリの数は100に満たないため、今後ベンダーへの周知も広げながら紹介アプリ数を増やしていく構えだ。

「サイト上にアプリを掲載したい場合は申請をしてもらうようにしていますが、当初は想定していなかったベンダーからも掲載申請が来ています」と氏家氏。

青木氏も「今後はどのようにサイトを活用してもらい、それをいかにサポートしていくかが課題だと考えています。もっと具体的に導入効果がイメージできるサイトにしてほしいといった声もあるので、導入事例を増やしたり、セミナーなどの情報発信も行っていったりして、より使いやすいサイトとなるよう目指していきます」と語った。

○AIを使ったチャットの経営相談サービスも

「ここからアプリ」の取り組みとは別に、中小機構自身のIT化の試みとも言えるのが、今年3月から提供しているAIを活用したチャットボットによる経営相談サービス「E-SODAN」だ。

E-SODANは、中小企業のためのチャットサービスの窓口となっており、経営に関する悩みに対し、AIを使ったチャット(チャットボット)もしくは専門家とのチャットの2つの方法で対応する。

これまで経営相談というと、まず予約してから窓口に行き、そこで1時間話を聞いて……といったように手間と時間がかかることが当たり前だった。しかし、「E-SODAN」を使えば、オフィスや家などにいながら、PCを使って気軽に経営相談ができるようになる。

「中小機構としても、ITを活用した新たな支援に取り組んでいます。中小企業はもちろんですが、それを支援する機関もわれわれにとってはお客さまなので、これからも便利なツールを提供していきたいですね」(青木氏)

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