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山田祥平のニュース羅針盤 第191回 日本の5Gプレサービス、覇者となるのは

2019年09月03日06時00分 / 提供:マイナビニュース

auがキャリア各社に先駆けて5Gに向けた施策を発表した。なかでも目玉は新プラン「auデータMAXプラン Netflixパック」だ。

本来の月額料金は8,050円(税別、以下同)だが、最初の半年は「スマホ応援割プラス」で1,000円割り引き、そして、J:COMの各種サービスとセットでのauスマートバリューで1,000円割り引き、家族2人以上が利用する「家族割プラス」でそれぞれ1,000円割り引き、さらに2年契約のお約束で170円割り引きが適用され、合計金額は月額4,880円となる。確かに価格の見かけ的にはインパクトはある。でも、条件が多すぎる。

○今なら××円、本当なら××円

どうにもこの価格の提示の仕方に慣れることができない。本来8,050円のところ、それが4,880円になるというのではなく、最初に4,880円を大々的に掲げ、実はさまざまな諸条件があるということをあとで提示しているからだ。これは、ケータイ料金は1万円近くかかるものという潜在的な意識が消費者の中にあることを想定してのものなのだろう。

実は、消費者の考える1万円近い料金には、これまで端末代金も含まれていたから、実質的な金額感はずいぶん違うはずだ。「本当なら××円が、今なら××円」というのと逆のアプローチだ。

この日のKDDI高橋社長はやけにOTTプレーヤー(Over The Top、動画や音声コンテンツを提供する事業者)を強調していた。いわゆるキャリアの上に君臨するOver the Topのコンテンツプロバイダーがいかに次の世代のネットワークを拡張し、新たな体験を創造するかということを協調したかったようだ。本来は、通信インフラの頂点に君臨するはずのキャリアとしての同社が、土管に徹するという宣言にも近い。ちなみに、「拡張、増強」を意味するAugmentの頭2文字はauということらしい……。

なお、このプランでは、テザリングと海外ローミングの「世界データ定額」は2GBまでという制限がある。ヘビーユーザーにとってはゼロに等しいといってもいい。同社ではテザリングの利用者は1~2割程度、海外ローミングにいたっては数%の利用率だということだが、そのわずかな利用者が大量のパケットを消費するのを怖れてのことなのだろう。

だが、丸一日Netflixで映画を流しっぱなしでいるようなユーザーもこれからは増えていくだろうし、制限の対象サービスを決めるのはなかなか難しい。スマホだけを使うユーザーが、何も気にしないでスマホを使い倒せることが大前提になっているということだが、スマホは身の回りのIoTデバイス、スマートデバイスのハブになるとは考えないのだろうか。
○5Gを使って何をするかが大事

KDDI代表取締役社長の高橋社長からは、5Gを語る場合に、高速大容量、低遅延、大量接続を声高に叫ぶ人は信用してはならない的な発言もあった。そのインフラを使って何をするかということこそが大事だというのだ。この日のイベントは「au UNLIMITED WORLD」と称し、発表にあわせて5Gの新ロゴもお披露目された。

わからない人にとってはよくわからないままに、5Gに対する期待は高まる。毎月末に、パケットのおかわりをするかどうかに迷い、制限された速度でチビチビとSNSを楽しむユーザーで、5Gと5GBの違いもわからず、とにかくギガが増えるのだからめでたしめでたしと考えるユーザーを巻き込むことができるかどうかは重要だ。施策としては正しい。

さらに、auはピカピカの4G LTEと新しい5Gのハイブリッドネットワークがもたらす世界を訴求する。かねてからいわれているように、ある日突然、5Gネットワークが全国津々浦々に浸透するわけではないことを、明確に示す姿勢だ。この日は対応端末がどのようになるのかといった具体的なプランは示されなかったし、肝心の5Gネットワークの料金体系がどうなるかも発表されてはいない。

あおるだけあおるというのではなく、ハイブリッドという考え方を早くに打ち出したauは現実的であるといってもいい。5Gが4Gを置き換えるのではなく、4Gが5Gを下支えする足し算で9G、掛け算で20Gといったところか。いろいろな意味で、この日のイベントは5G前夜の予告編イベントだったといえるだろう。

2019年も9月に入った。来年、2020年春とされる日本の5Gサービスインに向けた戦いが、本格的に始まろうとしている。さて、その覇者となるのは誰なのか。

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