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円の行方、ドルの行方 第189回 実需筋、投資家、投機筋

2019年06月10日09時08分 / 提供:マイナビニュース

相場を構成する大きな勢力には、実需筋、投資家、投機筋があります。話を分かりやすくするため、ここでは外貨を一番取引量の多いドルのみとします。

まず、実需筋についてお話ししますと、実需筋は、輸出企業と輸入企業に大別されます。

輸出企業は、物を海外に輸出し、その代金をドルで受け取り、しかし、ドルでは国内で使えないため、円に交換します。

ここでドル売り円買いが発生し、そして、これにより輸出企業の為替取引は終了です。

一方、輸入企業は、物を海外から輸入し、その代金をドルで支払うために、銀行でドルを買い円を売ります。

しかし、これによって、輸入企業の為替取引は終了です。

つまり、輸出企業はドルを売り放し、輸入企業はドルを買い放しで為替取引は終了します。

次に、投資家ですが、投資家は、ふたつに大別できます。

ひとつは、公的な運用機関で、国民年金。厚生年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめ、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、3大共済です。

そして、もうひとつは、民間の運用機関で、生命保険会社、損害保険会社などを言います。

このふたつを合わせて、機関投資家と総称しています。

機関投資家は、中長期の資産運用の一環として、外債運用に出てきています。

その背景には、国内での運用難から、やむなく為替リスクをとってオープン外債での運用に積極的になっています。

オープン外債:為替リスクをヘッジすると、運用利回りが大幅に低下するため、積極的に為替リスクもとって(オープン)運用する外債

ただし、機関投資家は、過去にも、たびたび、為替では痛い目に遭っているため、下がらないと買いませんし、ある程度戻せば、ドルを売って、ヘッジを掛けています。

その意味では、純粋なオープンではありません。

そして、投機筋ですが、これは、為替の上下動を狙って、ポジションを張り売買益を追求するマーケット参加者で、米系ファンド、ロンドンのデイトレーダー、日本の個人投資家などが活発に動いています。

それぞれを比較して、端的にその違いを申し上げるなら。実需筋は、輸出であれば買い放し、輸入であれば売り放しで、話しが完結するという点です。

機関投資家については、外債購入すれば、いつかは外債が償還してドルから円に交換する時もきますが、それまでには長い時間を要します。

したがって、実需筋程ではないにしても、長期に買い放し状態になります。

さて、投機筋ですが、投機筋の宿命は、買ったら利食いか損切りのために売らなければなりません。

また、売ったら利食いか損切りのために買わなくてはなりません。

したがって、そうそう長くはポジションを持ちきれません、

そのために、特に機関投資家と投機筋の手口の違いから、顕著になった相場が、2017年以降のドル/円相場です。

機関投資家は、下がったら買い、上がったら売りを繰り返したのに対して、投機筋は、下がったら売りでレンジブレイクを狙いましたが、懐深い機関投資家の買いに歯が立たず反発。

一方上がったら買いでレンジブレイクを狙いましたが、これも機関投資家の売りに歯が立たず反落ということで、この3年間、機関投資家によって形成されたレンジ相場から抜け出すことが出来ませんでした。

しかし、ここにきて、トランプ大統領が米中貿易交渉の長期化、そして、とうとうメキシコには不法移民問題に対しても報復関税を課すなど、追加関税が非経済問題にまで流用されることになり、リスク回避の円買いの動きは頻発化することとなりました。

これにより、過去3年間形成してきたレンジを下方向にブレイクする可能性が出てきていると見ています。

そして、ブレイクした場合、100円を目指すものと見ています。

ただし、下を攻めるのは短期勝負の投機筋、迎え撃つのは長期投資の機関投資家ですので、投機筋が勝つには、速攻で行かなければなりません。

この短期勝負になるか否かで、投機筋と機関投資家のどちら勝つかが決まってくると考えます。

○水上紀行(みずかみ のりゆき)

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