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円の行方、ドルの行方 第176回 長期的には危うさはらむユーロ/円

2019年03月04日09時59分 / 提供:マイナビニュース

リスクに対しての為替の反応は、基本的には、リスク回避のドル買い円買いになります。

それは、ユーロ売りドル買い、ドル売り円買いであり、それらが同時に起きると、ドルの買いと売りが相殺され、ユーロ売り円買いに集約されます。

現状、もっともリスクが発生する可能性が高いのは、ブレグジットはじめイタリアの財政問題、独・仏の政治・経済問題など問題が山積するヨーロッパであり、ヨーロッパ発のリスクにユーロから円への資金逃避が大きく起きるのではないかと考えています。

そして、テクニカル的には、ユーロ/円の年足を見てわかったことがあります。

それは、2008年からの実体(ロウソク足の寄り付きと引け値の間の太い部分)の三角保ち合い(もちあい)を、今年の寄り付き段階で下に抜けていることです。

これが、意味することは、今年は、ユーロ/円がどこかで崩れる可能性が高いということです。

しかも、リーマンショックのあった2008年から11年目にして、サポートを割り込んでいるだけに、かなり煮詰まっていますので、下げるとなるとかなり大きく下げるのではないかということです。

すでに触れましたように、リスク回避の円買いが定着しているだけに、リスクが多い欧州で、問題が噴出すると、それとは直接的には関係のない円が、突如大量に買われるリスクがあります。

その時、財務省・日銀はトランプ大統領の手前、為替介入はできません。

なぜなら、トランプ政権から、意図的な通貨安誘導を禁ずる為替条項を要求されている時だけに、円売りとなる為替介入はできないわけです。

そこで、日銀が追加緩和で対応するしか表向き対策はありません。

たぶん、GPIFといった公的運用機関のドル買いは見られるとは思いますが、桁違いの大量な円買いには対抗できないものと見ています。

リーマンショックの時、ユーロ/円は、5カ月で約48円の急落をしています。

それを考えると、たとえば、今の水準から95円まで急落しても、30円ぐらいの下げですから、十分あり得ることだと思います。

要は、長期的に見て、ユーロ/円は、実はかなり危うい状況にいるのではないかと見ています。

ユーロ/円は、クロス円の中では、もっとも流動性(交換のしやすさ)が高いとされています。

他のクロス円が、ほぼ100%と理論値なのに対して、ユーロ/円は、ユーロ/円としてマーケットがあることにはあります。

しかし、それでも、やはりマーケットがパニックともなれば、他のクロス円とそれほど変わらず、ユーロ/円をドル/円とユーロ/円にバラして(分解して)、それぞれに手仕舞うしか対応の仕方はありません。

さらに、実は、別のリスクも懸念されています。

昨日今日始まったことではなく、ある問題がドイツで最大の民間銀行であるドイツ銀行にあります。

問題は、ドイツ銀行が保有するデリバティブ残高が空前の約5500兆円もあるということです。

デリバティブ残高の5500兆円とはどれぐらいの大きさかといえば、ドイツのGDPが約400兆円ですから、GDPの約14倍の規模です。

このデリバティブの中身は、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)と言って、要は、設定した国が破たんすると借金の肩代わりをするというもので、ギリシャなどが相手となっています。

破綻しなければ、ドイツ銀行の丸儲けなのですが、破たんしたら借金の肩代わりをしなければなりません。

もし、ギリシャが破たんしただけでも、50兆円の損失が出ると言われています。

このドイツ銀行の問題は、たとえば合意なきブレグジットといった問題からドミノ倒し的に現実となる恐れがあり、大変なリスクとなっています。

尚、リーマンショックより大きなショックがあるだろうかと思われるかもしれません。

しかし、過去にも最大と言われたショックを上回って、新たなショックは起きているのが実際です。

○水上紀行(みずかみ のりゆき)

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