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就業規則の「読み方」 - 就業時間の重要性

2019年03月04日11時00分 / 提供:マイナビニュース

みなさん誰もが「会社に遅刻しそうだ!」という経験はありますよね?

会社が作成する就業規則には、その会社で働く上でのルールが定められています。その中で今回は、就業時間について触れていきます。

○遅刻も評価に影響

就業時間とは、会社で決められた始業時刻から終業時刻のことを指します。就業規則においては、就業時間について始業時刻と終業時刻を定めなければいけません(労働基準法第89条第1号)。そして通常は、始業時刻の後に出社した場合は遅刻、終業時刻の前に退社した場合は早退と扱われます。

学生時代であれば、学校の授業で遅刻や早退をしても、せいぜい通信簿に記載され、皆勤賞がもらえない、という程度かもしれません。しかし、就業規則では、遅刻や早退の回数や程度で人事評価に影響し、昇給や賞与の金額に影響することがあります。場合によってはこれに留まらず、「懲戒処分」を受けることがあります。
○懲戒処分とは

懲戒処分とは、会社において服務規律や職務上の義務に違反した者に対して、本人に反省を促すことを目的として制裁、懲罰を課すものです。就業上の義務に違反した場合に、会社が思いのままに懲戒処分を出せるわけではなく、あらかじめ就業規則において、従業員が何をした場合にどういう処分を課すかを定めた上で、その就業規則を社内に周知しておく必要があります。

それでも、就業規則に定めて周知したらどのような処分でもできるわけではありません。従業員の違反の程度と比較して、重すぎる処分の場合には、従業員は懲戒権の濫用として会社を訴えることもできます。

それでは、遅刻や早退をした場合に、どういう流れで懲戒処分にたどりつくのでしょうか。通常は、就業規則の中にある「服務規律」において、遅刻、早退をしないよう定めてあります。この定め方も、会社により条件を付ける等、程度がばらつくことがあり、さまざまです。

例えば、「正当な理由なく、遅刻、早退をしてはいけない」という記載があるとします。これでは、どのような場合が、「正当な理由がある」といえるのかが分かりにくい、ということが考えられます。例えば、人身事故に伴う電車遅延で振替輸送でも間に合わない場合や、病気や怪我で開院時または閉院前に病院へ立ち寄る場合は、正当な理由があるとされています。

こういった事例が明文化されている場合は、このような心配をせずに済むのですが、会社によってはここまで就業規則で記載されていないケースも多いです。

また、他の条件として、「事前に会社の承諾なく」という記載があるとします。これは無断遅刻や無断早退をしないよう求めているものなので、会社の承諾があれば服務規律違反には該当しない、といえます。
そして、いよいよ懲戒処分の中身に入ります。
○懲戒処分の中身

会社や他の従業員に損害を与えたり、刑事事件に該当する行為をしたり、という場合は、一番重い懲戒解雇という処分もあり得ます。一方、遅刻や早退は個人の事情にかかる場面であり、損害も非常に軽微であることから、譴責(けんせき)程度の処分が一般的でしょう。

それでも、譴責ならば軽微だからといって違反行為を繰り返してしまうと、反省がみられない、と判断されて、処分のレベルが減給、出勤停止、と引き上げられる可能性もあり、就業規則にもそのように定めていることが一般的です。

就業規則における就業時間をめぐる懲戒処分の記載例として、「正当な理由なくしばしば遅刻、早退し、又はみだりに任務を離れる等誠実に勤務しないとき」といったものがあります。この点からしても、1回の遅刻または早退をもって懲戒処分とするのは厳しいですが、頻繁になりますと、誠実に勤務していないと評価され、懲戒処分とされるものです。

もし、悪質だと判断されてしまった場合には、出勤停止などでは済まない恐れもあります。遅刻しそうな従業員が同僚に電話して、「タイムカードを押しといて」と頼むケースが考えられますが、これは勤怠の改ざんにあたり、就業時間を偽ること、すなわち会社に対して不正をはたらいたことになります。

こういった場合は譴責で済む可能性は低く、当初より減給や出勤停止、一度処分を受けても繰り返すとなると、最悪の場合は懲戒解雇につながる恐れがあります。
○就業規則は全従業員のルール

就業規則は、全従業員に適用されるルールであるため、必ずしも具体的な記載がなされていない場合があります。それでも、会社が就業規則をいつでも閲覧できる状態にしていると、従業員は就業規則を知らなかったことを理由に懲戒処分を免れることはできません。

日頃から、会社が従業員に対してどのようなルールを定めているのかを把握し、これに沿った行動を心がけていくことが求められます。

○執筆者プロフィール :大東 恵子(おおひがし・けいこ)

あすか社会保険労務士法人代表社員、特定社会保険労務士。大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、日商岩井株式会社(現在の双日株式会社)を経て1997年社会保険労務士事務所を開業する。現在、東京大阪名古屋に事務所展開。お客様のニーズにあったリーガルサービスの提供を心がけ、起業支援から一部上場企業の労務問題まで幅広く対応している。今春、早稲田大学大学院(MBA)を卒業。趣味は筋トレ、書道、芸術鑑賞。

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