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軽減税率制度が2019年10月に開始、知っておくべきレジ対応のポイント

2018年10月12日11時18分 / 提供:マイナビニュース

●軽減税率が導入されると、何が変わるのか?
皆さん、消費税増税に伴い導入される「軽減税率制度」をご存じでしょうか。

2019年10月からスタートする消費税法の改正により、税率が8%から10%へアップし、同時に「軽減税率制度」が実施され、一部品目については税率が8%据え置きとなります。

そこで本稿では「軽減税率制度」の概要を紹介するとともに、対応が必須となる小売店や飲食店などお店の運営にどのような影響が生じるのか、その影響に対してどのような対応をする必要があるのかについて説明します。
○軽減税率制度とは

消費税を上げるにあたり、一律に消費税を8%から10%に引き上げてしまうと、生活費が家計を圧迫して買い控えによる消費停滞が起こると危惧されています。そこで、「消費税は10%になるけれど、生活者が日常的に購入する食料品などは、現状の8%のままにしましょう」という軽減税率制度の導入が決定しました。

軽減税率の対象品目は、主に次の2つとなります。

酒類および外食を除く飲食料品
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(1)は、同じ飲食料品でもテイクアウトは8%、イートインは10%と税率が分けられています。また、「生活必需品」と「贅沢品」というくくりでも、税率は8%と10%に区分けされています。

では、軽減税率制度が導入されると、会計シーンはどのように変化するのか、具体例を挙げて説明しましょう。
○レストランで食事とテイクアウトした場合の支払金額

レストランに2名で来店し、それぞれが店内でハンバーグ定食を食べた後、コーヒーを持ち帰りにした場合、税込みの合計金額はいくらになるでしょうか。

ハンバーグ定食 @1,000円(税抜)×2名
コーヒー(持ち帰り)   @300円(税抜)×2名

回答の選択肢は、以下の3つです。

A.2,860円     B.2,808円     C.2,848円

正解は「Cの2,848円」です。以下が内訳です。

<イートイン:10%課税>ハンバーグ定食2,200円(=1,000円×2名×1.1)
<テイクアウト:8%課税>コーヒー(持ち帰り)648円(=300円×2名×1.08)

ポイントは、持ち帰りのコーヒーには軽減税率が適用される点です。
○酒を販売している店で買い物をした場合の支払い金額

酒類を扱う食料品店で、500円のお弁当を1つ、800円のワインと200円の「本みりん」をそれぞれ1本購入した場合、税込みの合計金額はいくらになるでしょうか。

回答の選択肢は、以下の3つです。

A.1,636円     B.1,640円     C.1,650円

正解は「Bの1,640円」です。以下が内訳です。

<酒類:10%課税>ワイン1本+本みりん1本=1,100円(=1,000円×1.1)
<テイクアウト:8%課税> お弁当1つ=540円(=500円×1.08)

ポイントは、ワインと本みりんが酒類になり、軽減税率の対象外となるため、税率は10%となる点です。ただし、本みりんではなく「みりん風調味料」を購入する場合は軽減税率の対象となり、税率8%となります。
○軽減税率制度の導入後に想定される店舗への影響と必要な対応

これら2つの具体例から考えてみると、ポイントとなるのは、軽減税率が適用されるか否かをきちんと判断し、間違いなく会計処理をできるようにすること――ここに尽きます。

そのため、お店のオーナーや店長は軽減税率制度について理解を深め、商品やメニューごとに税率を覚えておくことが前提になります。もちろん、会計を担当するお店のスタッフへの教育も必要です。そのうえで、毎日の売上や仕入れ(経費)を税率ごとに区分けして帳簿上で管理していく必要があります。

特に確定申告では、このような税率の区分けで記帳した帳簿などを基に、消費税額を算出することになります。そこで税率の区分を間違ってしまうと、「申告漏れ」ということになりかねません。軽減税率制度について、内容を正確に把握してきちんと会計処理していくことが不可欠です。

正しい会計処理を実現するには、次に挙げる3つの対応が重要になります。

自店舗の商品やメニューにどの税率が適用されるのか整理する
軽減税率制度に必要な事項を記載したレシートへの対応を行う
上記内容も含め、軽減税率制度についてしっかり学ぶ

これらのうち、(2)のレシート対応は、(1)の商品やメニューの税率整理に注意が行きがちで、盲点になりやすい項目です。レシート表示についても、新たな税率制度で求められる必要事項に対応をしなければいけません。

●軽減税率への対応として、何をすべきか?
○軽減税率制度に対応するレシートに記載すべき項目

具体的には、どのような事項が必要になるのでしょうか。軽減税率制度に対応するレシートには、次の必要事項を記載することが求められています。

請求書発行者の氏名
取引年月日
取引の内容
対価の額
請求書受領者の氏名又は名称(小売業者は5の記載は必要なし)

軽減税率の対象品目である旨
税率ごとに合計した税込対価の額

※2023年10月1日以降は、税率ごとに合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率の記載が必要

(1)~(5)はこれまでも記載が必要でしたが、軽減税率制度の実施により(6)と(7)の対応が新たに求められることになります。

(1)と(,2)は軽減税率制度対応のレジを導入することで、対応に必要な労力を軽減することができるので、詳細は後述します。

(3)は、たとえ自店の販売商品に軽減税率対象商品がなかったとしても、仕入れ内容を帳簿に記帳する際に、正しい軽減税率制度の知識が必要となってきます。本稿や政府が発表しているガイドブックなどを参考に正しい軽減税率制度の知識を身につけていきましょう。
○レジの種類で異なる軽減税率制度への対応

それでは、軽減税率制度に対応できるレジを紹介します。現在、店舗で利用されているレジは大きく「レジスター」「高機能POSレジ」「モバイルPOSレジ」の3種類に分類できます。それぞれの特徴や軽減税率制度対応の難易度を以下の表にまとめました。

どのレジを使用していても、共通して行わなければならないのは、商品ごとの税率設定です。商品ごとの税率は、テイクアウトやイートインが選択できるかどうかを含めお店にしか分からないため、オーナーおよび店長自身での税率設定が必要です。

「レジスター」「高機能POSレジ」の場合、レジ本体の小さな表示窓、またはPCでの専用ツールを使用しないと税率設定ができないケースも多く、比較的難しいという声を聞きます。「モバイルPOSレジ」であれば、iPadやiPhoneなどの端末上での操作のみで完結するため、比較的使いやすいでしょう。

加えて、税率およびレシート表示を切り替える場合、「レジスター」は適切なタイミングで手動による設定、「高機能POSレジ」は専任の業者の改修が必要となることもあります。「モバイルPOSレジ」はアップデートさえ行っていればアプリという性質上、2019年10月1日になったタイミングで自動的に税率が切り替わります。

また、2023年にはレシートに事業者番号と税率ごとの合計を記載する「インボイス対応」も行う必要や、今後キャッシュレス決済対応には消費税優遇を検討するといった議論も出てきているなど、レジ対応の必要なタイミングが今後も出てくることが予想されます。

「モバイルPOSレジ」であれば、アプリのアップデートのみで更新が済むため、利便性やコストなど総合的に見て、使いやすいのではと考えています。
○モバイルPOSレジにおける軽減税率対応

そんなモバイルPOSレジでは、どのようにして軽減税率対応を行っていくのかについて、筆者がプロデューサーを務める「Airレジ」を例に紹介しましょう。軽減税率制度に対応する「Airレジ」の特徴は主に次の4点です。

消費税法改正に準拠
複数税率の設定がシンプルで簡単
事前設定により、アプリのアップデートだけで複数税率に対応
導入コストや業務負荷を軽減

「Airレジ」では、標準税率10%または軽減税率8%について、事前に選択したほうがあらかじめ入力されているので、最低限の操作で設定ができるように開発中です。商品やメニューに対して軽減税率に該当するものだけ変更するだけで対応可能。現在、IT機器が苦手な方でもできるだけ簡単に操作できるよう登録画面の開発を進めています。

また、商品やメニューの登録などの事前設定が完了すれば、あとはアプリのアップデートだけで、自動的に複数税率に対応できます。

ここまで、軽減税率の導入に伴い、店舗が知っておくべ会計・レジ対応のポイントとして、軽減税率制度導入の影響や必要な対応について紹介してきました。実際に対応を進めていく際は、本稿を参考にして準備を進めていただけると幸いです。

著者プロフィール

稲垣 有二(イナガキ ユウジ)

リクルートライフスタイル Airレジプロデューサー
1981年生まれ。大学卒業後、大手ERPパッケージシステム会社に入社。エンジニア・プロダクトマネージャーとして主に会計、SCM(サプライチェーン・マネジメント)などの企業向け業務支援システム開発、コンサルティングに携わる。
リクルートライフスタイルに転職後、2018年1月より『Airレジ』のプロデューサーとなり、現在に至る。

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