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キヤノン「EOS R」、発表会で感じた“期待と課題”

2018年09月23日18時00分 / 提供:マイナビニュース

キヤノンが満を持して発表したフルサイズミラーレス「EOS R」。新製品発表会に参加し、実機をいち早く手にして感触を試した落合カメラマンに、率直な感想をファーストインプレッションとしてまとめてもらいました。落合カメラマンは、不満のない基本スペックや撮影性能、独自性が感じられる交換レンズやマウントアダプターの存在などに新システムへの期待を抱きつつも、ちょっと気になると感じたポイントも目ざとく指摘していました。
○製品展開に心躍るも、誤解を招きそうな表現に引っかかる

EOS Rの発表会場。席に着き目の前に置かれている資料にまず目を通す。

巧いと思った。的を射る、ツボを押さえるとはこのことだ……率直にそう思った。「EOS Mのときとは大違いだな」。散々な第一印象だった「M」とは真逆のトキメキに苦笑が漏れる。キヤノンがより良いものを作ったからなのか、自分が丸くなったのか、あるいはこれまでの我がミラーレス経験が何かしら考え方に変化を与えたのか。

いずれにしても、EOS Rの基本スペックとレンズ関連を含む新たな製品展開には、ニコンZを超える分かりやすさと驚きがちゃんと備わっているように感じられた。フルサイズミラーレスの中における独自性と提案が明確なのだ。なかでも、マウントアダプターの芸達者ぶりには目からウロコがポロリ。やっぱり、どうせやるならこのぐらい外堀を固めてくれなくちゃ!

……と、ここまでは、実機を目の当たりにする前段階のオハナシ。製品写真とスペックと解説は見たり読んだり聞いたりできるけれど、ブツを手に取れるのはまだ先だ。もうしばらく製品解説に耳を傾けていなければならないのだが、そうこうしているうちに「ん?」「え?」なんて感じで、製品解説に関し引っかかる部分が出てきた。

――ショートバックフォーカスを強調するけど数値は口にしないんだな(フランジバックは20mmとのこと。でも、それについては大きな声では言っていなかった)。

――でも「AFフレーム最大5,655ポジション」なんていう新しい言い方はするのね。

――写真撮影時に有効なボディ内(センサーシフト式)手ブレ補正が入っていると誤解しかねない説明や表現があえて狙ってのものだとしたら、かなり罪深いしプラスの効果は一切、生まないと思うのだけど……。

――レンズのロードマップに漂うスカスカの急作り感はなんなんだ……?

※すべて個人の感想です

○感性に響く部分にあと一歩の高級感がほしかった

さてさて、そんなこんなを抱えつつ、いよいよ実機とのご対面である。おお、真正面のチョイ斜め上から見下ろすと、どことなく初代EOSである「EOS 650」っぽいじゃん。一眼レフでいうペンタ部の造形はぜんぜん違うのだけど、全体のシルエット印象には、いたずらに未来感を煽るのとは正反対の原点回帰っぽいテイストがある。EOSの誕生と進化を目の当たりにしてきた私のようなジジイにとっては、けっこうツボなボディデザインだ。

質感は、この新製品が中堅機という位置づけなのであれば、まぁそれなり。戦略的な価格設定を見れば、なおさら納得すべき要素であるような気もする。でも、もしニコンZの値付けがさらに5万円高かったら、EOS Rの価格もそれに比例していたのではないかと想像すると、もう少し“高級感”に磨きが入っていてもバチは当たらないんじゃないかと思った。ひとことでいえば、操作系を含め「EOS M5の親玉」ってな雰囲気が濃厚なのだ。

ボディの剛性感やメカ部の包まれ感など、感覚に訴える部分のデザインもそれ相応のもの。装着するレンズによって音や感触(レリーズ時に手に伝わる振動)が異なるところは、気づいてしまうとまぁまぁ気になる部分ではある。EVFの視認性は非常に良好だし、レンズ脱着時にセンサーを保護するためシャッターが開閉する仕組みにもきめ細やかな配慮を感じるのだけど(レンズを外したときにでっかいセンサーがすぐ近くでモロ見えになっているのって気が気じゃないからね)、それだけにレリーズ感触や音などに「あともう少し……」なんてことを感じてしまうのだ。

ボディ内手ブレ補正の採用が見送られたところ、そしてワンショットAFとサーボAF時のコマ速が大きく異なるところも残念。デュアルピクセルCMOS AFにとって、動体にAFを追従させるという仕事は、これまでの経緯を見るに決して得意な分野ではないように思えるのだけど、もしそんなこんなが関係しての現状の連写スペックだとすると、越えるべき壁はけっこう高そうな気がする。撮影直後のアフタービューの表示までに一拍の待ちが入り、それが撮影のリズムをけっこう乱してしまいそうな部分の修正も今後の課題だろう。

ニコンZもAF・AE追従の連写時にコマ速がガクッと落ちるのだけど、いつの日かメモリー一体型積層型センサーが使えるようになればズバッと解決されるはずだ(希望的観測)。では、EOS Rの場合はどうか? 今回のEOS Rが一眼レフでいうところのEOS 6D Mark IIのポジショニングを担っているとするならば、将来登場するかもしれないEOS 7Dシリーズに相当する“高速EOS R”は、デュアルピクセルCMOS AFに何らかのブレークスルーを携えての登場、もしくは別の像面位相差AFシステムでくるような気がする。どちらに転ぶとしても楽しみな未来だ。早く来ないかなぁ~。

2018年の晩夏に突如、実現した両雄からのフルサイズミラーレス機デビューは、「3年後が楽しみ」という点において見事に同じ期待を抱かせるスタートになっていると思う。結論を導くにはまだ早い。なので、今は貯金に勤しむべきかな!?

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